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弁護士が解説!他人の評価を下げても名誉毀損罪が成立しない場合とは?

名誉毀損罪が成立しない場合がある

すごく簡単に言うと、SNSやブログにある事実を書いて、個人・会社・団体などの評価を下げたら名誉毀損罪に当たり得ます。

【要注意】自分の投稿が「名誉毀損」になる場合を弁護士が解説

ただ、評価を下げた=犯罪(名誉毀損罪)だとするなら、

・真っ当な批判でも、一切書けないの?

・詐欺被害や社会問題についても、一切書けないの?

・ショップや商品のレビュー記事で、ネガティブなことは一切書けないの?

そういう疑問も湧くはずです。

でも、「ある事実を書いて、評価を下げたのに、名誉毀損罪が成立しない場合」があります。

今回は、その例外的な条件について解説します!

刑法230条の2第1項

公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあったと認める場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。

つまり、

(1)公共の利害に関する事実であること(公共性)

(2)その目的が専ら公益を図ることにあること(公益性)

(3)真実であると証明したこと(真実性)

この条件を全て満たせば、たとえ誰かの評価を下げたとしても、名誉毀損罪は成立しません。

各条件について解説

詳しく解説すると膨大な量になるので、「最低限知っておくべきこと」に絞って解説します!

(1)公共の利害に関する事実であること(公共性)

「SNS投稿・ブログ記事のテーマが、公共性のあるテーマである」ということです。

典型例は、政治家の信頼に関わることです。

食や建物の安全性、大企業に関することなども、「公共性あり」と認められやすいテーマでしょう。

例えば、
・どこどこの冷凍食品に、虫が入っていた
・どこどこの建設会社は、耐震偽装をしている
といったことです。

(2)その目的が専ら公益を図ることにあること(公益性)

「SNSやブログを投稿した主たる目的が、公益を図るためにある」ということです。

分かりやすく言うと、投稿者の個人的な恨みを晴らす目的や嫌がらせ目的ではなく、皆の利益のために投稿した場合です。

「ある政治家が賄賂を受け取っていた」といった内容は、基本的に公益を図るためと言えるでしょう。
政治家の行動を知ることは、皆の利益になるからです。

他方、嫌がらせ目的で書いた場合などは、公益性は否定されます。

この「目的」というのは、本人の気持ちの問題ですから、外からは見えません。
しかし、本人が「公益のためだった」と言えばなんでも通るわけではありません。

最終的には、様々な証拠をもとに裁判所が判断します。
その結果、本人がいくら「公益目的だった」と言っても、公益性が否定されることも十分あり得ます。

「怪我をさせるつもりはなかった」と言っても、ハンマーで殴っていれば、「怪我をさせるつもりだったでしょう」と判断されるのと同じです。

(3)真実であると証明したこと(真実性)

これは文字通り、「SNSやブログに書いた内容が本当のことだった」と証明できた場合です。

ただ結果的に「真実だと証明できなかった場合」でも、「真実だと信じる正当な理由があった」と証明できれば、責任を負いません(相当性)。

どれだけ調べても、間違えることはあります。
それなのに、「結果的に間違いなら常に責任を負う」となると、怖くて何も書けませんよね?

ですから、「結果的に間違いであっても、そう信じる正当な理由があったなら責任は負いませんよ」ということになっています。

ただ「真実だと信じる正当な理由があった」という証明は、そう簡単ではありません。

・有名な人が言ってたから
・たくさんの人がツイートしてたから
この程度では、正当な理由は認められないと考えた方が良いでしょう。

マスコミであれば取材や裏付け調査も行うでしょうが、一般の方がそれを行うのは困難です。

誰かの評価を下げるようなことを書く場合は、かなり慎重になって下さい。

たとえ、善意や正義感で発信する場合も同じです。
ネット上では特に、正義感からした投稿が元でトラブルになることが多くあります。

まとめ

今回は、「ある事実を書いて、個人・会社・団体などの評価を下げても、名誉毀損罪が成立しない場合」について解説しました。

その条件は、次のとおりです。
(1)公共の利害に関する事実であること(公共性)
(2)その目的が専ら公益を図ることにあること(公益性)
(3)真実であると証明した場合(真実性)又は真実だと信じた正当な理由があったと証明した場合(相当性)

ただこの条件をクリアするのは「かなり難しい」と考えて頂き、発信には十分気を付けるようにして下さい!