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弁護士が解説!著作権法で認められた「引用」の条件とは?

著作権法で認められた「引用」の条件を解説!

SNSやブログで発信する際、

・他のブログやSNSの文章、写真を載せたい
・書評記事を書くために、本の内容を載せたい
・好きなアーティストの紹介記事を書くために、歌詞を載せたい
・ガジェットレビューを書くために、メーカーのHPに載っている情報を載せたい

こう思うことは多いでしょう。

ただ、「誰かが書いた文章、誰かが撮った写真・動画、誰かが作った曲・歌詞などには、全て著作権がある」と考えて下さい。
実際は微妙なものもありますが、そう考えて行動するのが安全です。

そして、自分のSNSやブログに誰かの文章や写真を載せる時は、著作権法で認められた「引用」の条件を満たす必要があります。

このルールをきちんと理解しないと、大変なことになりかねません。

そこで今回は、著作権法で認められた「引用」の条件を解説します!

引用が認められる条件とは?

公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。

著作権法32条には、これしか書いてありません。

具体的な条件は説明する人によって違ったり、引用する対象が文章なのか画像なのかによって変わったり、最終的には「ケースバイケース」という難しい分野なのです。

ただ一般論としては、次の条件を満たせば著作権者(文章を書いた人、写真や動画を撮った人)の許可なく引用できます。
また引用である以上、引用する文章や写真に勝手に手を加えないようにして下さい。

1.使用される著作物がすでに公表されているものであること

2.引用の条件を満たすこと
-①引用する著作物と引用される著作物が明瞭に区別できること(明瞭区分性)
-②引用する著作物が主、引用される著作物が従の関係にあること(主従性)

3.公正な慣行に合致すること

4.引用の目的上正当な範囲内であること

5.出所を明示すること

1.使用される著作物がすでに公表されているものであること

そもそも公表されていない作品を、「この作品は○○です」って世の中に言う必要はありませんよね。
だから、こういう条件があります。

・一般向けに発表された曲
・一般向けに発売済みの本
・無料配布されている本・冊子・フリーペーパー
・誰でも閲覧できるブログ・HP・SNS上の文章・写真・動画
こういったものは全て「公表済み」と考えられるので、通常はこの条件を満たすでしょう。

2.引用の条件を満たすこと

具体的な条件は著作権法に書いておらず、裁判例や学説が説明しています。

①引用する著作物と引用される著作物が明瞭に区別できること(明瞭区分性)

②引用する著作物が主、引用される著作物が従の関係にあること(主従性)

①引用する著作物と引用される著作物が明瞭に区別できること(明瞭区分性)

自分の文章や写真と他の人の文章や写真を明確に分けましょう、という意味です。

ここが曖昧だと、他の人の文章や写真なのに自分が作ったように見えてしまいます。
だから、こういう条件があるわけです。

②引用する著作物が主、引用される著作物が従の関係にあること(主従性)

メインはあくまでも自分の作品で、そのために他の人の作品を使うのだから、他の人の作品がメインのようになってはいけない、というものです。
これが逆になると、単純に他の人の作品を無断で使うのと変わらなくなってしまいます。

「主従って、何対何くらいなら良いの?」と思われるかもしれません。

ただこれは、単純に量(比率)だけの問題ではないんです。
引用部分の重要度、どういう読者に向けて書いているかなど、色んな要素で決まります。

「ケースバイケース」としか言えないのがもどかしいですが、「必要最小限に留める」という意識は持っておいて損はありません。

3.公正な慣行に合致すること

他の人の作品を拝借するのだから、慣習として用いられるようなフェアな作法に則って引用しましょう、というものです。

たとえば「人格攻撃のために他の人の作品を使う」といった場合には、これに反する可能性があります。

また既にご説明したとおり、引用部分が不明瞭だったり、主従が逆転していると、やはり公正な慣行に反する可能性があります。

4.引用の目的上正当な範囲内であること

あくまでも引用はサブとして使われるのだから、それにふさわしい範囲で使いましょうね、というものです。

たとえば、ある小説の書評を作るとします。
きちんと自分の意見を書いていても、小説全部を丸ごとコピペするのは、「正当な範囲内」を超える可能性が高いでしょう。

どの範囲が適正かは、作る作品の内容や引用される作品の特徴によって様々です。

小説のような文字数の多い作品を全部コピペするのは、基本的にやりすぎでしょう。

でも、俳句のような文字数の少ない作品だと、17文字全部を使わざるを得ないことも多いでしょう。

他にも、「ゴッホ絵画の筆使いについて論評したい!」と思ったら、筆使いがよく分かる絵画の一部分を拡大した画像が適正かもしれません。
でも、筆使いが絵画全体に与える影響を示すには、絵画全部を使う必要があるかもしれませんよね。

このように、何が引用の目的上正当な範囲といえるかは、ケースバイケースになるのです。

5.出所を明示すること

引用元をしっかり書きましょう、ということです。

具体例

(1) 文章を引用する場合
・引用元のサイト名と、当該文章が載っているURLを書く
・本の著者と書籍名を書く

(2) 写真を引用する場合
・引用元のサイト名と、当該写真が載っているURLを書く

ちなみにこの記事では、引用元の記載が不要な写真を使っています。

引用のルールに違反したらどうなるのか?

本人はセーフのつもりでも、著作権法上の「引用」に当たらず違法だということになると、様々なペナルティーが課される可能性があります。

たとえば、SNSにアップしたものを削除しなければならなくなったり、損害賠償を命じられたり。
懲役を含む刑事罰が課されることもありますので、十分注意して下さい。

まとめ

今回は、著作権法で認められた「引用」のルールを解説しました。
「引用」は、裁判例や学者によって見解が様々で活発に議論されている分野です。
ただ、それでも上記の条件は参考になるでしょう。

他の人の作品を使って、自分は何を表現したいのか。
そのために、他の人の作品をどう使う必要があるのか。
このあたりを意識するようにして下さい。

後日、
・どこに引用するのか(ブログ・YouTubeTwitterなど)
・何を引用するのか(文章・歌詞・写真・動画など)
といった具体的なケースもご紹介します。